全ての言葉はさよなら Flipper's Guitar
雪が溶けて 僕たちは春を知る 同じことただ繰り返す
喋る笑う 恋をする僕たちは さよならする
カメラの中でほら 夢のような 物語が始まる
分かりあえやしない ってことだけを 分かりあうのさ
暗い夜に 痛いほど目を閉じた 僕らでも今は平気さ
得意技の キザな言葉ですぐに 逃げ出すのさ
ごらんよ幾つもの 噂話 この世界に広がる
思いっきり僕たちは キスを投げて
さよならする さよならする さよならをする
これは別に言い訳ではないが、俺は何も物悲しいリリシズムだけが表現の全てであるとは言わない。エロ・グロ・ナンセンスとかそういうものが好きで、嗜好がそちらに傾きがちで、結果として表現したいものもそちらに偏ってはいるが、それ以外にも好きなものはたくさんある。誤解を恐れず言うならば、懐メロとか大好きだ。それがたとえ以前くさした『演歌』の代表であるにせよ、心からそれに移入することはある。もちろんFlipper's Guitarが『演歌』であるとは微塵も思わないが、しかしやはり物悲しいリリシズムとかそういったものとは少し距離があるだろう。それにしても完成度が高い。この作品は小沢健二が作詞・作曲ともにやっていたはずだが、とにかく彼の作品は観念的な完成度が高い。インテリ特有の、よく言えば上手い、悪く言えば鼻につく、そういったものが多い。Flipper's Guitarは1枚目と3枚目のアルバムで挑発し、2枚目のアルバムで懐柔しているイメージがあるのだが、その2枚目のアルバムのラストを飾るこの曲は、それの極みといったところである。
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