2009年1月1日木曜日

物悲しいリリシズム。

単に喜怒哀楽が表現される文というものは、あまり好きではない。中に要素がいくつも詰まっていて、それら全体を見渡したときに、何かが浮き上がってくるような文が好きだ。そしてそんな文の中でも「物悲しいリリシズム」を感じる文が好きだ。この「物悲しいリリシズム」という表現は、瀬戸内寂聴が高橋源一郎の「すばらしい日本の戦争」という小説を評したときに使った表現の受け売りである。しかしこの表現は現代社会にかろうじて残るリリシズムの姿をとてもうまく掴んでいると思う。

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