2009年1月8日木曜日

天使の視点。

主観と客観という視点がある。自分を中心にしてみたときに現実がどうなっているかを考えるときと、世界全体を見渡したときに現実がどうなっているのかを考えるときで、人は視点を変えなければ行けない。しかし、この二つの視点だけでは二元論の構図に陥ってしまう。それではどうすればいいのか。表題の天使の視点というのはその一つの指針を示す言葉だ。ヴィム・ヴェンダースという映画監督の言葉なのだが「主観を人間の視点、客観を神の視点としたとき、我々が真に目指すべきはその間を漂う天使の視点である」というわけだ。現実を見ようとするとき、我々は主観的になるのを恐れるあまり、客観的にさえ見ていれば、現実を認識できていると錯覚しがちである。しかし客観的に見るだけではあまりに遠くから見すぎているために、物事の裏側を見失う可能性がある。天使のようにふわふわと漂って、背後にまで回りこんで見ることが必要なのだ。もちろん、天使の視点を手に入れるためには常に主観と客観を正確に認識しなくてはならない。そしてその中庸ではなく、両極を同時に意識することで初めて初めて手に入るのではないかと思う。

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