2009年1月7日水曜日

休載あるいは断筆。

俺が好きな作家は、あるいは俺が好きな作品は、未完が多い。原作者ともめたとか、スランプに陥ったとか、体を壊したとか、なんか色々な理由がついては話の途中でとまってしまう。でも俺は仕方ないことだと思っている。表現はビジネスじゃない。何か表現作品を作るときに、自分でできる限りのこと以上をすべきではないと俺は思っている。誰かがノルマを決めて、それの通りにやるなんて馬鹿げている。計画性なんて失笑ものだと思っている。だって、それで生まれたものなんて、自分がやりたいことではないじゃない。昔、編集は原稿とりだったらしい。それが今では作家と二人三脚で作品を作っていく役目だとかなんだとか言っている。はっきり言おう、余計なお世話である。作家が作品を書けないときに、編集は無責任にも期限で取り立てようとする。ふざけるなと思う。そんなことだからまともな作品を書ける人間が減ってしまうのだ。読者の期待に応えろなんてあいまいな責任の取らせ方をするなと思う。もし、読者の期待に応えないで苦労するとしても、それは本人の問題なのだ。他人に言われる筋合いはない。だから俺は自分が好きな作家が休載したり、あるいは断筆したとしても、責めようとは思わない。恋焦がれるように再開を待つだけである。それが好きということではないか。惚れた弱みというのは良い言葉だ。惚れたならあきらめろ。責任の所在をはっきりさせて糾弾するなんて、まるで何かの契約みたいでぞっとすると思わないか。

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