2009年1月8日木曜日

ネタとベタ。

江戸っ子という言葉がある。今ではもう死んでしまったかのように思われているこの人たちは、しかしまだごくわずかだが存在している。それを特に感じるのが地元の安いフリー雀荘に行って老人の方々と接した時だ。年金生活でちょっと麻雀を楽しもうという感じで集まってくるこの人たちの話は、面白い。俺は昔、小遣いがあるときなんかによく雀荘に遊びに行ったが、その目的の一つにこの人たちの掛け合いを聞きにいくというものがあった。とにかくお互いに思ってもいないことを悪く言う。たとえば麻雀中にいきなり「おめぇみたいな馬鹿がよくこんな長生きしたよ」とか「こんな馬鹿ヅキ女に不幸にされた男はたまったもんじゃねぇや」てなことを言ったりする。そして言われたほうはそれを冗談と理解して笑う。フリー雀荘という性質上、集まる人々はお互いに素性を知らない。しかし、こうしてお互いに気さくに冗談を言い合うのだ。俺はこういうコミュニケーションが好きだ。そして自分もこうありたいと思う。本心をベタに語って同情を買うのはみっともない。普段は本心など隠しておくべきなのだ。それがたとえ何かメディアに乗ってしまうものだとしても。そして観客はそれを理解した上で楽しむべきなのだ。それが本音と建前の正しいあり方ではないか。それの行き着く先がロールプレイであり、すなわち文化が高いということではないか。だから俺はこのブログで発言していることも、常に本音と建前、あるいはキャラクターと本当の自分、ネタとベタが混ざっている。そしてその上で受け取って欲しいと思っている。それができない人はもしかしたら俺のことを誤解したまま去っていくかもしれない。でも俺は仕方がないと思っている。とても悲しいけど、俺は本音を語りキャラを演じずに生きていけるほど、素直でも無邪気でもないのだ。

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